ヤーコンの木は、高さが2m弱、大きな葉を持ち、根に10~20個の芋をつけるキク科の植物です。原産地は南米のアンデス地方で、世界でも指折りの長寿地方である同地のビルカバンバで古くから栽培され、芋は食用に、葉は民間薬として用いられてきました。芋は生食も可能で、クロロゲン酸、フラボン類どの抗酸化物質や、フラクトオリゴ糖などが含まれています。抗酸化物質は、老化防止やガン予防などに効果があり、フラクトオリゴ糖はビフィズス菌を増やして、便秘解消に効果を発揮します。葉にはポリフェノール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類が豊富に含まれ、乾燥させてお茶として飲みます。そのポリフェノールのひとつに、インスリンと同様の働きを持ち、食後血糖値を抑える成分があることが、近年、発表されました。詳しいメカニズムは判明していませんが、その成分は膵臓に負担をかけることなく、糖吸収を抑え、血糖値の上昇を防ぐ働きをすると報告されています。
ヤーコン茶には、脂肪の代謝を活発にする作用もあります。血液中の中性脂肪、コレステロール値を減らす効果があり、高血糖がもたらす合併症にも効果が期待できます。近年、ヤーコンは日本でも栽培されるようになっており、生のいも、茶菓、ゼリーなどの加工食品が、健康食品店やインターネット等で購入することができます。