糖尿病の治療について
2型糖尿病が増える現状をふまえ、血糖コントロールを効果的に行う治療が始められています。糖尿病の治療について紹介していきます。
食後の血糖値コントロールが重要
インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン系薬剤)
薬物療法の行われ方
経口薬には5タイプがあり、患者の症状や薬の効きめに応じて、単独または併用で使われます。経口薬を用いるときは、次の点に注意します。
●食事・運動療法は続ける。●服用時間を守る。●薬を併用する場合は、どの薬かを間違えないよう十分気をつける。●薬を服用後は激しい運動を避ける。低血糖を起こすおそれがああります。●通常、1つの薬を2カ月ほど試し、経過を見ながら効果をみる。
インスリン療法
インスリン製剤を自分で注射することを「インスリン療法」といいます。1型はこの療法が必須ですが、2型ではあまり行いません。しかし、食事・運動・薬物療法で効果が出ない場合は、2型にも必要となり、医師の指導のもと自己注射を始めます。
薬物療法に使われる5タイプの経口薬
高血糖治療に使われる飲みぐすりは5種類に大きく分けられます。
①スルホ二ル尿素(SU)薬
トルブタミド、クリベンクラミド、クリメピリドなど
第一世代薬から第三世代薬まで、約50年の歴史を持つ薬。膵臓β細胞を刺激し、インスリン分泌を促進します。
②ピグアナイド(BG)薬
塩酸メトホルミン、塩酸プホルミン
肝臓での糖合成を抑え、消化管からの糖吸収を抑制します。
③α-グルコシターゼ阻害薬
アカルボース、ボクリボース
小腸での糖の吸収を遅らせ、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
④チアゾリジン薬
塩酸ピオグリタゾン
インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げます。
⑤速効型インスリン分泌促進薬
ナテグリ二ド、ミチグリ二ドカルシウム水和物
膵臓β細胞上に働きかけてインスリン分泌を促し、服用後短時間で血糖値を下げます。
予防医療
生涯にわたる健康作りのサポートを行う「予防医療」
糖尿病予備群の段階で療養を開始すれば、比較的早く、血糖値が正常な状態に戻ります。こういう疾病予備群の段階から適切な治療を施し、生涯にわたる健康作りのサポートを行う「予防医療」が、注目を集めています。
メディカルフィットネス
「メディカルフィットネス」は医療(メディカル)と運動(フィットネス)を中心とする連携医療です。ユーザーは、体の状態・病気の危険因子等に関する検査・測定を受け、医師がそれをもとに治療・運動プログラムを処方します。必要性や要望に応じて、食生活指導、漢方、アロマセラピー、スパなどの療法をプラスし、総合的な医療プログラムによって健康の回復・維持・増進をはかります。2型桁尿病のさらなる増加が予測される現在、未病段階からの予防医療の重要性がますます高まっています。