糖尿病の症状について
糖尿病は初期のうちはこれといった自覚症状があらわれないですが、高血糖の状態で放置すると更に深刻な病気にいたります。このページでは糖尿病の症状(自覚症状)について紹介していきます。
初期のうちはこれといった自覚症状があらわれません
自覚症状と高血糖の弊害
糖尿病の自覚症状
6つの自覚症状
症状① | 甘いものが急にほしくなる。 |
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症状② | のとが異常にかわくようになる。 |
症状③ | 尿の量や回数が増える |
症状④ | 強い疲労感や倦怠感を感じるようになる |
症状⑤ | 食欲が異常に強くなる |
症状⑥ | 食欲があり、しっかり食べているのに痩せてくる |
高血糖の弊害
血管と血流が痛めつけられていく
インスリンの作用不足によって、血液中のブドウ糖が適切に処理されない状態が続くと、次のような弊害が引き起こされます。●赤血球が血管内をスムーズに移動できなくなり、細い血管への流れが悪くなったり、血栓を作りやすくなります。また、各組織に酸素が円滑に運搬されにくくなります。●ブドウ糖はたんばく質と結合しやすい特徴があり、血管内のたんばく質と結び付き、有害物質である「糖化たんばく」を作ります。この量が増えると、血液はさらに汚れてドロドロとなり、細い血管だけでなく、大血管にも障害をもたらし、その障害は目の網膜、腎臓、心臓などにも及びます。●ブドウ糖の増加を察知した血管細胞が、アルドース還元酵素によってブドウ糖の処理を試みるため、ブドウ糖がソルビトールという物質に変わります。その一部は、果糖として細胞外に排出されますが、次第にその処理が追いつかなくなり、血管細胞にソルビトールがたまります。浸透圧を保つため、細胞内には水が入り込み、血管細胞が膨張した状態が続き、血流障害、酸素運搬障害が起こります。●全身をめぐる末梢神経の細胞がおかされ、知覚神経、連動神経、自律神経のすべてに悪影響を与え、さまざまな神経障害を引き起こします。このように、全身をめぐる血管に負担をかける高血糖の状態は、全身の各組織・神一経をもむしばんでいくのです。
糖尿病と高血圧
高血糖と高血圧による悪循環
糖尿病の人は高血圧になる割合が高く、2つの症状は、互いに悪影響を及ぼしながら悪化していきます。その原因は、インスリンの量に関係すると考えられており、糖尿病の初期段階に、糖代謝を高めようとインスリンが多量に分泌された結果、交感神経を必要以上に刺激して血圧が上がり、また、腎臓にも負担がかかるため血圧調整が適切に行われなくなります。高血圧の症状を併発している人は、高血糖と高血圧の両面から、療養を進める必要があります。医療機関で検査を受け、治療計画にそって療養を進めていきましょう。
インスリンの働きと血管の状態
正常な状態
膵臓から分泌されたインスリンが、細胞表面にあるインスリン・レセプター(受容体)のスイッチを入れると、糖輸送のシグナルが伝わり、細胞内へのブドウ糖の取り込みが始ります。血液中のブドウ糖量は適正に保たれます。
高血糖の状態
インスリン・レセプターの作用が低下し、細胞内にブドウ糖を取り込めなくなります。血液中にブドウ糖とインスリンが増え、この状が続くと、膵態臓β細胞が疲弊し、インスリンの分泌が少なくなります。血液中にはさらにブドウ糖があふれ、尿には糖が混じるようになります。血液はドロドロになり、血流も悪化します。血管細胞も、ブドウ糖の代謝物ソルビトールの存在によって膨張します。