桑の葉には、ビタミンB1、ビタミンA様物質、カロテンなどの他に、DNJ(デオキシノジリマイシン)という桑特有の成分が含まれています。以前から、桑の葉には血糖値を下げる効果があると考えられてきましたが、近年の研究から、この効能がDNJによるものであることがわかりました。通常、体内に取り込まれた糖質は、小腸で糖分解酵α-グルコシダーゼによってブドウ糖に分解され、吸収されます。桑の葉茶を飲むと、この一連の作用が起こる前に、DNJがα-グルコシダーゼと結びついて糖分解を阻止し、ブドウ糖の小腸への吸収を抑制し、食後血糖値の上昇を抑えます。
このほか、桑の葉には、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛など各種ミネラルも豊富に含まれます。100g中のカルシウムは干しえびや煮干しより多く、煎茶の約6倍もあります。鉄分は煎茶の約2倍です。また、亜鉛はインスリンを件る材料になります。現代人の食生活にはミネラルが不足しがちですが、桑の葉茶を飲めば、手軽に各種の栄養素を補給することができます。DNJの効果を引き出すには、食前に飲むのが効果的です。昼や夜の食事前に加え、お菓子を食べるときなどに添えるのもいいでしょう。DNJは水に溶けやすい性質なので、茶葉にお湯を注ぐだけで、有効成分が十分に溶け出します。なお、二煎目では成分がほとんど失われてしまうので、常に一煎目を飲むようにします。