南国の果物であるグァバの果実は、生食のほか、ジュースやジャムなどで親しまれていますが、葉にも多くの栄養分が含まれています。長寿の人が多い沖縄では、グァバの葉を煎じたお茶が、琉球時代から糖尿病の予防薬として用いられてきました。その効果を生む成分のひとつが、グァバの葉に多く含まれるタンニンです。ポリフェノールの一種であるこの成分には、糖の分解を抑える効果があり、食後血糖値の急激な上昇を防いでくれます。この効能は、人間への研究でも実証されています。タンニンのほかにも、グァバの果実、葉の両方に多い成分は、ビタミンA、C、Eなどです。葉に特有な成分としては、ビタミンB群、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予備に効果的なビタミンUがあります。
グァバの葉には、タンニンのほかに、ケルセチンというポリフェノールが含まれています。ケルセチンは、腸での糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇を抑制します。また、高い抗酸化力があるので、活性酸素を除去して、糖尿病だけでなく、
高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の予防にも有効です。グァバ茶は健康食品店などで手に入り、煮出して飲む茶草のほか、手軽なティーバッグもあります。選ぶときは、醗酵タイプかどうかに注意しましょう。グァバの葉を乾燥しただけの茶葉は、渋みが強く、飲みにくさが残りますが、醗酵させるとまろやかな味になり、効能もアップします。特にケルセチンは、醗酵によって4・7倍ほどに増え、他の健康茶草と比べても、圧倒的な量を誇ります。醗酵グァバには、他にカルシウム、鉄分などのミネラル、ビタミン肢やナイアシンも多く含まれています。毎日続けて飲めば、血糖値を下げるほか、ダイエット効果、美肌効果も期待できます。また、グァバ茶の成分を含んだ特定保健用食品のお茶も販売されています。