オクラは、アフリカが原産地になります。日本に伝えられたのは、江戸末期から明治初期にかけてのようです。包丁を入れると切り口からネバネバ物質が出てきますが、これは
食物繊維の一種で、ムチン、ペクチン、ガラクタンといった多糖類です。このネバネバ成分は、腸内で糖質を包み込んでその吸収を遅らせるため、食後血糖値の上昇を抑える効果があります。また、胃壁を保護して消化不良などを防ぐとともに、整腸作用のあるペクチンの働きで、
便秘を解消します。
その他、オクラには、抗酸化作用のあるβ-カロテン、ビタミンB群、ナイアシン、ミネラルも豊富に含まれています。ビタミンB群とナイアシンは、糖質や脂質を効率よくエネルギーに換える作用があり、ミネラルのうち、マグネシウムはインスリンの働きを活性化させ、亜鉛はインスリンの材料になります。新鮮で栄養価が高いオクラは、産毛の多いものです。調理する際、塩をつけて産毛を軽くもむと、口あたりのよい食感になります。なお、ネバネバ成分の効力は加熱によって弱まってしまうので、ゆでるときは、さっと熱湯に通すだけにしましょう。