大豆製品・納豆/食品成分・栄養・効果【糖尿病食事療法】

糖尿病

血糖値を下げる食品・大豆製品・納豆

納豆・大豆製品はバラエティ豊かな製品群に頼れる栄養素がぎっしり詰まった、とても栄養価の高い食品です。生活習慣の予防に効く成分がつまった納豆・大豆製品の効果について紹介していきます。

大豆は生活習慣病予防に効く成分が豊富

糖吸収を抑える(1日の目安量200g)

大豆製品
大豆はたいへん栄養価の高い食品です。乾燥大豆の約30%を占める大豆たんばく質は、必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質なものです。血圧の調整、血中コレステロール値の低下、肥満改善などに効果的です。また、ポリフェノールの一種であるイソフラボンも含まれ、コレステロール値や中性脂肪値を下げるほか、血糖値を下げる効果が報告されています。加えて、近年サプリメントなどで販売されているとうちこ、つじ「豆鼓エキス」(大豆を麹で発酵させた豆鼓の有効成分)も、糖吸収を緩やかにし、血糖値を下げる効果が実証された成分です。生の大豆に含まれる成分トリプシンインヒビターがペータ膵臓β細胞を増殖させ、インスリンを増加させるという研究がありますが、この成分は加熱すると活性がなくなり、一般の大豆製品からは摂取できないので注意しましょう。なお、生の大豆には有害物質が含まれるので、生食は避けてください。トリプシンインヒビターの有効的な摂取方法は、今後の研究の課題とされています。大豆の加工食品には、豆腐、納豆、おから、きなこなどさまざまな種類があります。納豆は、煮た大豆を納豆菌で発酵させたもので、大豆の栄養分に加え、ビタミン類が豊富です。さらに、納豆独自の酵素ナットウキナーゼは、血栓を溶かし、動脈硬化の予防に効果があります。

おから・栄養満点で食物繊維がおなかをきれいに

おから・栄養満点
おからは、豆腐を作る過程でできる豆乳の搾りかすで、「卯の花」「きらず」とも呼ばれます。「搾りかす」という呼び方に反して、栄養価はすばらしく高く、たんばく質、ビタミンB群、カルシウム、亜鉛などが豊富です。また、100g中10g以上の食物繊維を含み、そのほとんどが不溶性のため、便秘解消にも効果的です。体内で膨らむので満腹感が持続し、過食防止にも有効です。肉と混ぜてハンバーグにしたり、にんじんなどの野菜と一緒に炒り煮にして、常備食にすると便利です。

大豆製品に含まれる+αの成分と効果

納豆

脂質を効率よくエネルギーに換えてインスリンの分泌を活性化するビタミンB2、食後血糖値の上昇を抑え、血栓を溶かすナットウキナーゼが含まれます。

豆腐

カルシウムや鉄などのミネラル類が豊富に。絹ごし豆腐は水溶性のビタミンB1が木綿豆腐より多く含まれます。豆腐を低温で凍らせた高野豆腐はミネラルが豊富。

おから

不溶性食物繊維が多く、腸内環境をよくして便秘や大腸ガンの予防、肥満解消に効果を発揮します。糖質・脂質の代謝を助けるビタミンB群、亜鉛、カルシウムも含まれます。

ゆば

たんばく質と脂質が凝縮したもので、大豆たんばくが消化されるときに血圧の上昇を抑えます。他にイソフラボン、サポニン、レシチン、コリン、食物繊維などが含まれます。

味噌

ビタミンE、高血糖を改善するサポニン、血圧を安定させるイソフラボン、余分な脂肪を排泄させるレシチンなどが含まれます。色素成分メラノイジンには老化防止効果もあります。