栄養成分(食品)で高血糖を改善【糖尿病食事療法】

糖尿病

高血糖改善に役立つ栄養成分(食品)

栄養素は、まず食品からとることを心掛けましょう高血糖改善に役立つ成分について紹介していきます。

食品から栄養補給

赤ワイン・ポリフェノール
このサイトの食品紹介のページで、血糖値を下げる効果のある食品とその栄養成分を具体的に紹介していますが、ここでは、血糖値をコントロールするために、とくに意識して摂取したい栄養成分を取り上げました。どれも普段の食事で、食品からとれるものばかりです。サプリメントに頼らずに、食品そのものから摂取することが大切です。

食品に含まれる高血糖に有効な栄養成分


食物繊維

腸の有害物質を体外へ運び出す

消化・吸収されずに排泄されるので、かつては「食べ物のかす」と考えられていましたが、近年は、高血糖を改善する最も大切な成分として注目されています。食物繊維には水溶性と不溶性があり、水溶性食物繊維は腸内で溶けて余分な物質を包み込み、体外に排泄します。また、腸での糖質の吸収を緩やかにするので、食後血糖値の急激な上昇が防ぐことができます。日本人の適正摂取量は1日20g前後ですが、高血糖の人は1日30gを目標にします。

食品例(おから、ごぼう、かぼちゃ、ゆでたけのこ、エリンギ、ひじき、菜の花)

ビタミンB群

新陳代謝を活発にして体調を整える

消ビタミンB1は、糖質の代謝をよくするのに必要不可欠な成分です。また、B2は糖質、脂質、たんばく質の代謝をサポートします。いずれも不足すると、血糖値が上がりやすくなるので注意しましょう。さらに、B6はたんばく質と脂肪を適切に吸収する働きがあり、B12は脂肪、たんばく質、炭水化物が適切に使われるように働き、葉酸とともに造血に関わります。B群のビタミンは相助作用があるので、いっしょに摂取したほうが効果的です。

食品例ビタミンB1:豚肉、玄米ごほん)(ビタミンB2:レバー、牛乳、納豆)

ポリフェノール

活性酸素を退治する抗酸化物質

赤ワインの研究に端を発して注目を集めたポリフェノールは、さまざまな食品に含まれており、カテキン、イソフラボン、ルチン、ケルセチン、アントシア二ン、ショウガオールなど、その数は400種以上にも及びます。光合成でつくられる苦味や渋み、色素がその特徴で、ひとつの食品に複数のポリフェノールが含まれていることもあります。効能としては、抗酸化作用が強く、体を老化させる活性酸素を攻撃して、動脈硬化やガンを予防、また、血液をサラサラにして、血糖値を正常に保つ効果があります。

食品例(赤ワイン、緑茶、大豆、しょうが、チョコレート)

マグネシウム

身体の機能を整える重要なミネラル

ミネラルの一種で、穀物や豆類、海藻に多く含まれています。糖質や脂質の代謝を促進し、インスリンの働きを改善する働きがあるので、血糖コントロールに欠かせない栄養素のひとつといえます。不足すると、神経疾患、精神疾患、不整脈、心疾患などを引き起こします。1日の摂取目安量は、成人男性で340~370mg、成人女性で270~290mg。日本人にとくに不足しがちなミネラルなので、積極的にとるようにしましょう。海藻類から摂取すると、カロリーも低めに抑えられます。

食品例(空の豆腐、納豆、ひじき、わかめ、アーモンド)

亜鉛

インスリンの材料になるミネラル

体内での酵素の働きに必要なミネラルのひとつです。免疫機能全般に大きな影響があり、不足すると成長障害、食欲不振、味覚障害などを引き起こします。また、インスリンをつくる材料になるので、高血糖の人にはとくに重要な成分です。また、亜鉛が不足するとストレスに対抗するためのホルモン分泌が少なくなり、精神的疲労がたまり、場合によっては、うつ状態になることもあるので注意が必要です。1日の摂取目安量は成人男性9mg、成人女性7mg、許容上限は30mgです。

食品例(カキ、豚レバー、牛肉、玄米)

クロム

インスリンの活性化に活躍する

糖質や脂質の代謝をサポートする重要なミネラルです。インスリンの作用を活性化して血糖値を下げ、脂質の代謝を促進し、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らします。不足すると血糖コントロールがうまくいかなくなるので、注意しましょう。また、脂質の代謝を促進する働きは、肥満解消にも効果が期待できます。1日の摂取目安量は成人男性35~40ug、成人女性30ugです。

食品例(レバー、えび、玄米、豆類、きのこ類)