糖尿病

糖尿病・高血糖を予防する

血糖コントロールを円滑に行い糖尿病を予防する為には、何がポイントになるのでしょうか?糖尿病・高血糖の予防について紹介していきます。

糖尿病は死亡原因の実質1位!?

糖尿病は、生活習慣病のひとつです。生活習慣病とは、日常の生活で、体に負担をかける習慣が続いたことによって起きる病気群を指します。「3大生活習慣病」としては、ガン、心臓病、脳卒中が挙げられ、日本人の死亡原因の上位3位を占めています。糖尿病は、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、肥満などとともに、その他の生活習慣病のなかに入ります。しかし、ここで注意したいのは、死亡原因の2位・3位である心臓病と脳卒中をわずらう人のなかには、まず糖尿病になり、そのあとに心臓病、脳卒中を併発している人が非常に多いということです。詳しい統計はまだとられていませんが、実質的には、糖尿病が日本人の死亡原因の1位であるとする医師・研究者も少なくありません。

生活習慣の見直しが糖尿病予防には不可欠

生活習慣病のおもな要因は、次の3つに分類できます。

①生活習慣・過食、偏食、運動不足、過度の飲酒、喫煙など
②遺伝等・遺伝子の特徴、加齢
③環境等・ストレス、過労、有害物質

生活習慣・過食、過度の飲酒
これらの要因が病気を引き起こすかどうかは、個人差があります。しかし、どの要因も、長年積み重なったことによる体への負担が、ある時期を境に慢性疾患になってしまい、生涯にわたるケアが必要となる病気に移行する共通点があります。この意味からも、生活習慣病は、早期に適切な予防をすれば、健康な側に戻りやすく、療養の負担も、比較的少ない病気です。たとえば、糖尿病に一度なってしまうと、完全な治癒は難しく、長期間にわたる血糖コントロールが必要となります。しかし、糖尿病予備許の段階であれば、食事や運動療法によって、再び健康な状態に戻れます。3つの要因のうち、遺伝については、個人が置かれた状況を変えられないところがありますが、生活習慣と環境要因の多くは、自分の力で予防できるものです。あなたを健康に導くのは、あなた自身の行動なのです。

糖尿病を予防する4つのポイント

予防のポイント

①食事療法②運動療法③肥満解消④ストレス解消

糖尿病の予防には、あなた自身の心構えと、目標としたことをやり通す努力が必要です。それを維持するために大事なのは、「肉はたくさん食べられない」というマイナス発想ではなく、「とびきりおいしい肉を、適量ゆっくり味わおう」というプラス的発想です。つまり、量より賞を楽しむ生活です。
糖尿病を予防する2本柱は、食事療法運動療法です。これに、肥満解消ストレス解消を加えた4つが、重要なポイントです。なお、症状により薬物療法等が必要になる場合もあります。

糖尿病の4分類

糖尿病は、発症原因によって4つのタイプに分類されます。日本人に最も多いのは2型糖尿病で、全糖尿病患者の9割以上を占めます。単に「糖尿病」という場合は、2型糖尿病を指すことが多く、このタイプが生活習慣病に属しています。療法を日常化する食事・運動療法を行うと、次第に成果が現れ、血糖値が下がってきます。しかし、そこで療法をストップすると、高血糖に逆戻りしてしまいます。食事・運動療法は、糖尿病を予防・改善するのはもちろんですが、健康を存続するためにも重要なことなので、日常化することが大切です。

遺伝的要素がある堵合

2型糖尿病の発症は、遺伝的要素も大きく関わっていますが、これは「家族に糖尿病の人がいると、自分も必ず糖尿病になる」ということではありません。病気にかかりやすい要因を受け継ぐということなので、食事や運動に気を配る生活で、発症を予防できます。

生活習慣について

個人の生活習慣だけが悪いのか?

「生活習慣病」という呼び方は、それまでの「成人病」に代わる名称として、1990年代未に厚生省(当時)の主導で使われるようになりました。しかし、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの疾患を、「生活習慣」がもたらす「病気」であると呼ぶ傾向は、他の国々ではあまり見られません。糖尿病などの疾患は、過食や偏食、運動不足がいちばんの原因ですが、社会がより複雑化し、OA機器を使う仕事があたり前となった現代社会では、個人が慢性疾患にいたる要因を、その人の「生活習慣」だけに求められない事情も存在します。つまり、社会環境が、悪しき習慣を個人に押し付けている現実もあります。療法に入る前には、自分の生活習慣だけでなく、その習慣をもたらしている周囲の環境にも目を向けましよう(連日の残業や、夜中に夕食、睡眠不足など)。環境自体に問題があると判断した場合、そこから抜け出すことも、療法のひとつです。