糖尿病と漢方薬の種類と効果

糖尿病

漢方の自然力を活用する

漢方薬も、高血糖がもたらす諸症状に効果を発揮します。食事や運動療法に加えるのも一案です。糖尿病の症状に処方される漢方薬等について紹介していきます。

症状に応じた処方を

糖尿病と漢方薬漢方薬の処方は、数千年という長い年月をかけて生み出されたものです。それぞれの症状や体質に合った生薬を使い分け、新陳代謝を促進して、体質を改善するのが漢方薬の位置付けといえます。「血糖値を下げる」という直接的効果を追うのではなく、高血糖にともなう不快症状の改善、症状の進行阻止、及び合併症の予防という側面から、漢方薬を取り入れていきましょう。なお、漢方薬を処方する際は、ほとんどの場合、健康保険が適用されます。

漢方薬を飲む際の注意点

●主治医と相談し、症状の全体像を明確に

漢方薬は西洋医学での治療をサポートします。治療にあたり、検査結果や症状のデータ、処方薬の内容などを、西洋医学と東洋医学の問でオープンにして連携することが重要です。主治医、漢方医双方にその旨を相談しましょう。

●食前1時間~30分の服用が基本です

漢方薬は食事の1時間~30分前、食間あるいは空腹時に服用するのが一般的です。最も飲みやすい温度の白湯で飲みます。また、薬を飲む前後はお酒はひかえるようにましょう。

●2週間にl回の割合でカウンセリングを

処方された漢方薬を飲んでいると病状や体調は除々に変化していきます。2週間に1回程度はカウンセリングを受けて、症状の変化に応じた薬に変えていくことが必要です。

●漢方日記をつける

漢方薬の名前、服用記録(いつ服用したか)等、その時々の体調(食欲がない、手足が冷えるなど具体的な内容)を記入した日記をつけることで、より効果的な処方が可能になります。カウンセリングの際は、漢方日記を持っていくようにしましょう。

糖尿病の症状に処方される漢方薬

漢方薬には多くの種類があり、症状によって選択する必要があります。専門家に相談してから服用しましょう。

肥満

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

主に、脂肪太りの中高年の人に用いります。体内の老廃物が、汗、便、尿として排出されるのを促進します。また、便秘、むくみ、のぼせ、肩こリなどにも有効です。

足腰の痛み・多尿

六昧丸(ろくみがん)

体の詰った機能を補い、元気にします。糖尿病の症状では、口の渇き、多飲、手足のほてり、排尿異常、足腰の脱力感、ふらつき、耳鳴りなどに有効です。

呼吸器系の不調

滋陰降火湯(じいんこうかんとう)

喉を潤し、咳を抑える働きがあり、痰が切れにくく、咳や微熱が続くときに使用します。皮膚が浅黒く乾燥している人に向きます。肺と腎臓の不調をやわらげる効果があります。

胸協苦満

大柴胡湯(だいさいことう)

胸脇苦満とは肋骨下部を押したときに痛みをともなう症状のことをいいます。筋肉質太りの人によく現れ、その症状の改善とみぞおちの膨満感などの緩和、便秘解消を目的に処方されます。

口の渇き・疲労倦怠

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

もともとは熱中症に用いられる薬です。糖尿病の人では、微熱があって、口の渇きが強く、疲労・倦怠歳が著しいとき、その軽減を目標に用いります。

多飲・便秘

調胃承気湯(ちょういじょうきとう)

胃腸の調子をよくし、便を軟らかくして排便しやすくします。糖尿病では、口の渇き、多飲、多食、便秘、腹部膨満感などを軽減するために用いります。

口の渇き・多飲

白虎加人参湯(びゃっここかにんじんとう)

東洋医学で「煩渇」と呼ばれる、著しい口の渇きをともなう症状に用いります。水分を摂取しても、口の渇きが癒されない場合に処方すると、効果が期待できます。

喉や口の渇き

麦門冬場(ぱくもんどうとう)

喉の治療に用いられる漢方薬。喉を潤し、咳を抑える作用があります。糖尿病で、感冒や気管支炎にかかりやすい人に向き、とくに咳をともなう口の渇きに効果的です。

しびれ・脱力・倦怠感

八味地黄丸(はちみじおうがん)

糖尿病の症状のうち、下半身の冷えや脱力感、倦怠感、夜間の頻尿などがある人に処方されます。また、性欲の減退、不妊症、耳鳴り、脱毛、白髪などにも効果的です。

合併症の予防・治療に使われる処方薬

脳血管障害⇒七物降下湯(しちもつこうかとう)

血管を広げて血液の流れを正常にします。眼底出血や血圧を下げる効果もあります。

糖尿病性壊蘇疽⇒当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

下肢の冷えなどに用い、血流を改善します。座骨神経痛、しもやけなどにも効果があります。

末梢神経障害⇒疎経活血湯(そけいかっけつとう)

血行や水分循環を改善します。関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛をやわらげる働きがあります。

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